おすすめの短編その1
なろうのブックマークが増えすぎたので、整理がてらここに記録していきます。
子供が書いた夏休みの作文が、ファンタジーすぎる件
九月一日、小学三年生の担任をしている俺は、夏休みの作文を子どもたちから集めた。それを読んでいたら、ある一人の男の子の作文がファンタジーすぎた。そんな夏の不思議な出来事を、ツッコミながら読む先生のお話。
異世界に召喚されて、魔王を倒して、ハッピーエンドを迎えるまでを、ちょっとした伏線も挟みつつ、コメディータッチで短編にまとめた作品。
2万文字程度。
こんなにコンパクトに、最後までストーリーを書いて、まとめるというのはすごい。
面白いです。
こちらは続編。
やはり短編。
インパクトは夏休みよりも薄いですが、最後はしっかりまとめてきます。
この作者さん、まとめ方がいいですよね。
「さよならだけが人生だ」を使いたいだけの人生だ
『さよならだけが人生だ』 于武陵の詩「勧酒」を井伏鱒二が訳した有名な文。 この杯を受けてくれ どうぞなみなみ注がしておくれ 花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ 創作家ならば一度は自作で用いることを夢見ると言われる程に有名。 実際かっこいい。
ということをテーマに書かれたコメディー。
2600文字ほど。
「さよならだけが人生だ」がさまざまに形を変えて繰り返されます。
テクニカル……!
コメディーなので、このノリが合わない人は合わないと思います。
僕は最高に面白かったですけど……!
あなたを求めたい。――悪役令嬢の内心――
「点a、おまえとの婚約は破棄する。求めていた真実の解を見つけたのだ。俺は点bと聖三角形神殿で婚姻届にsinする!」
C国第一王子である点Pと、B国の姫である点bの距離が縮まります。
【問1】 三角形ABC大陸に現れた三角関係Pabの問題を解決せよ。
いや、どういう内容なんだ? と思うかもしれませんが、こういう内容です。
テクニカル……!
悪役令嬢ものの冒頭を下敷きに、できる限り数学に置き換えた作品。
よくこんなこと思いつくなあと感心します。
猫と竜
書籍化もされた有名短編。
猫に育てられた竜のお話です。
竜が猫に育てられて、猫が竜に育てられて、猫が竜に守られて、という時間の流れを書いたストーリー。
この作品だけでも面白いですが、続きもあります。
シリーズタグが付いているのでそちらから読んでみてください。
てっぺんついた
小説家になろうの公式企画、夏のホラーで見かけた短編。
途中で流れが変わるのが分かるんだけど、「あっ、そっち行っちゃうんだ……」と思うんだけど、もう観覧車は止められない。
そういう感じのお話。
こういうひねり方、好き。
ちなみに僕も夏のホラーにはちょこちょこ参加しています。
最近参加したのはこちら。
ひねろうとしすぎておかしなことになっているけど、作者的には満足のお話。
ぼくは、わざわいのたね
こちらは冬の童話企画の作品。
1万字程度。
四つの季節ごとに模様がえをする美しい塔が、世界の中心にたっています。 四人の王女様が、交代で塔を彩り、季節は美しくめぐります。 それをおもしろく思っていない魔女がいました。 魔女はある日、子供の流れ星を捕まえて《災いの種》を作ります。 魔女は冬の女王に《災いの種》を渡し、『春が来たら災いの花が咲く』と言って消えてしまいます。 さあ、冬の女王と《災いの種》は、長い冬と災いをどうやって乗り越えるのでしょうか。
というお話。
たしか冬の童話祭のテーマ部門の作品だったんですよ。
こちらのテーマですね。
で、テーマにそって書かれているんですけど、めちゃくちゃいいです。
季節が一周して、また冬が来て、その先まで。
冬の女王と「わざわいのたね」を中心にストーリーが展開します。
「わざわいのたね」がかわいいんですよね。
そしてやさしい。
この作者さんの作品はだいたい外れはないのでおすすめです。